第64回グラミー賞でもノミネートされたBTS。
授賞式が行われたのは日本時間で2022年4月4日。
昨年に引き続き大きな注目を集めていたBTSのノミネート。
今年も惜しくも受賞を逃した結果となってしまいましたが、一体なぜなのでしょうか。
受賞逃すもグラミー賞ノミネートの快挙を達成したBTS

今回グラミー賞にノミネートされたBTSの楽曲は「Butter」。
ちなみに昨年は「Dynamite」でノミネートしていました。
「Butter」は、2021年5月に配信リリースされ、アメリカのビルボードメインシングルチャート「HOT100」で発売初週から7週連続1位を獲得した大ヒット曲です。
このチャートでbts以外で1位をとったアジア人は1963年坂本九さんの「上を向いて歩こう」のみです!
BTSはなんと57年ぶりの2年連続での快挙です!
そんな2021年最大のヒット曲とも呼ぶべき「Butter」がノミネートされたグラミー賞は、アメリカで最も権威ある賞と呼ばれています。
2022年BTSがノミネートされた部門
年によって異なりますが、実はグラミー賞は80以上もの部門で構成されています。
特に注目されるのが主要部門とよばれる以下の4つ。
グラミー賞主要4部門
- 年間最優秀レコード
- 年間最優秀アルバム
- 年間最優秀楽曲
- 最優秀新人賞
BTSがノミネートされたのは主要部門ではなく、
「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」部門。
2012年に新設され、ソロ以外のデュオやグループ、コラボレーションで、ヴォーカルやパフォーマンスで功績を残した歌手に授与されます。
主要部門はありませんが、重要な部門の一つとされており、アジア人がノミネートされたのは昨年のBTSが初めてです。
BTS以外にノミネートされたアーティスト
「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」部門
にノミネートされた他のアーティストはこのとおり。
レディー・ガガやジャスティン・ビーバーなど大物ぞろいです!
- 「I Get A Kick Out Of You」トニー・ベネット&レディー・ガガ
- 「Higher Power」コールドプレイ
- 「Lonely」ジャスティン・ビーバー&ベニー・ブランコ
- 「Kiss Me More」ドージャ・キャット feat. シザ
そんな中でも、BTSは授賞式でのパフォーマーにも選ばれ、これは今年から受賞のフラグか??と話題になっていました。
しかし、今回この「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」を受賞したのはBTSではなく、ドージャ・キャット feat. シザの「Kiss Me More」でした。
過去も複数回グラミー賞ノミネートされていたBTS
実はBTSは過去にもグラミー賞にノミネートされているのです!
2016年「最優秀レコーディング・パッケージ」に
BTSのアルバム『LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’』がノミネートされ、プレゼンターとして授賞式に参加もしていました。
ただしこの賞は優れたパッケージデザインに対して送られるもの。
音楽賞ではありませんでした。
さらに翌年2020年の授賞式ではノミネートこそなかったものの、パフォーマーとして、ラッパーのリル・ナズ・Xとコラボしステージに立ちました。

韓国のグループとして初めてグラミー賞の舞台でパフォーマンスを披露した快挙を成し遂げ、2021年はいよいよ音楽賞にて「Dynamite」がノミネート、受賞がBTSにとってもファンにとっても念願となっていました。
BTSは受賞できる?グラミー賞の選考基準

期待値が高かっただけに2022年もBTSのグラミー賞落選は大変残念です。
そこで気になるのはグラミー賞の選考システムですよね。
昔から「グラミー賞は保守的」などと噂されていますが、
いったいグラミー賞はどのような基準で受賞者は選ばれるのでしょうか?
グラミー賞は会員による投票
グラミー賞は歌手やプロデューサー、評論家などで構成されるRecording Academyの会員約1万3,000人による投票で決定します。
主要部門は全員が投票に参加しますが、その他の部門は専門分野の会員により評価、投票されます。
その審査基準は「作品のクオリティ」を評価すること。
この一点となっています。
そのため売上やチャートといった数字的なものとは関係なく受賞が決まり、2021年世界的に大ヒットしたBTSのButterと言えど、結果は発表されるまで読めません。
このような基準の中ではBTSの受賞は難しいのではないか、という声もあがっていました。
グラミー賞選考のプロセスが問題視されているからです。
BTSの「Dynamite」も「Butter」も売上の市場規模でいうと間違いなく世界年間トップレベルです。
Youtubeの再生回数でも、BTSの「Butter」は、受賞した「Kiss Me More」の倍以上の再生回数があります。
ですが、あくまで「作品のクオリティ」が基準なので、再生回数等は関係なく会員の投票で決まってしまいます。
グラミー賞審査員に若年会員が少ないという問題点
Recording Academyには若い会員が少ないため、若者好みの曲が受賞しづらいと言われています。
また、カントリー分野の審査員が多く、フォークやカントリー出身のアーティストが評価されやすい傾向があると指摘されています。
そのこともあり、BTSのようなアイドル的グループは敬遠されるとも。
過去には誰もが認める人気であったバックストリート・ボーイズすら受賞を逃し続けたという歴史もあります。
うーん・・・
結局は人が選ぶことなので、審査員の好みは出てしまいますよね(泣)
人種差別が問題視されている
グラミー賞は長年「白人優位」と指摘されてきました。
確かにこれほど社会に影響を与え、数々の世界的記録を達成したBTSが2020年まで音楽賞にノミネートされてこなかったのは不思議であり、
大ヒットしたDynamiteやButterをもってしても主要部門ではないというのも、おかしな話だと疑問視されています。
2020年7月の発表によると、Recording Academyの会員における人種的・民族的マイノリティはわずか25%。
この議論が活発化したのは2017年の授賞式のこと。
当時9部門にノミネートされていたビヨンセ。
しかしその結果は主要部門はすべて逃し、受賞は2部門のみ。
この年最優秀アルバム部門を受賞したアデルは、「ビヨンセが受賞べきだった」とコメントしています。
ビヨンセは黒人女性だから冷遇されているのではとグラミー賞に批判があがりました。
いまだにグラミーのこの問題は解決されていないと考えるアーティストは少なくありません。
中にはノミネートを辞退し「グラミー賞永久ボイコット」するアーティストも存在します。
ただ、このような疑惑はあるものの、大きな賞にノミネートされるなどBTSは着実にアメリカ音楽業界の歴史を塗り替えています。
2022年グラミー賞でのBTSパフォーマンス
それでは、グラミー賞で世界を沸かせたイケイケなbtsをご覧ください。
テテが歌手のオリヴィア・ロドリゴに耳打ちするシーン。
セクシーすぎてテテのファンは気絶寸前です。
グクはなんと上空からの登場!
ジンは左手を負傷しているため、演出担当のように上手く魅せています。
このジャケットの振り付け、実は練習では3回に2回は失敗してしまう程難しく、メンバーも物凄い緊張の中臨んだそうです!
それを感じさせない圧巻のこのパフォーマンス・・さすがです!
こちら別角度でのBTSのパフォーマンス。
会場がとても盛り上がってますね!
他の受賞者含め、BTSが愛されているのがよくわかります!
BTS グラミー賞まとめ

■BTSのグラミー賞結果
グラミー賞 「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門」
第63回「Dynamite」ノミネート→受賞ならず
第64回「Butter」ノミネート→受賞ならず
今回惜しい結果となりましたが、近い将来、BTSなら国や人種の壁を壊してくれるに違いありません。
これからのBTSの活躍に期待が高まります。